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Paidy, Inc.

近年、日本におけるオンラインショッピングの決済手段として、後払い(Buy Now, Pay Later、以下BNPL)サービスが急速に普及しています。その中でも、パイオニア的存在として多くの利用者から支持されているのが、ペイディ株式会社が提供する「ペイディ」です。本記事では、ペイディのサービス内容、利用条件、手数料、そして賢く利用するためのポイントを、金融アナリストの視点から詳しく解説します。

ペイディ(Paidy)とは:日本における後払い決済のパイオニア

会社概要と沿革

ペイディ株式会社は、2008年3月に株式会社エクスチェンジコーポレーションとして設立されました。その後、2014年に現在の主力サービスである後払い決済「ペイディ」の提供を開始し、社名もペイディ株式会社へと変更しました。本社は東京都港区赤坂のミッドタウンタワーに構えられています。

2021年9月には、世界的な決済大手である米国のペイパル・ホールディングスに約27億米ドルで買収されました。現在もペイパルの子会社として、独自のブランドと経営体制を維持しながらサービスを提供し続けています。現代表取締役社長は加藤隆二氏、創業者であり取締役会長を務めるのはラッセル・カマー氏です。

ビジネスモデルと主な顧客層

ペイディのビジネスモデルは、消費者と加盟店の双方にメリットを提供します。消費者にとっては、クレジットカードを持っていなくても、あるいは利用したくない場合でも、オンラインで商品を購入し、後で支払いができるという利便性があります。購入代金は翌月10日までにまとめて支払う形が基本となります。

一方、加盟店はペイディを導入することで、カゴ落ち率の低減、平均注文額の増加、リピート購入の促進といった恩恵を受けられます。ペイディは加盟店に対し、消費者が購入した代金を立て替えて事前に支払い、後から消費者から回収する仕組みです。

主なターゲット層は、クレジットカードを保有していない、あるいは保有していても別の決済手段を好む日本のオンラインショッパーです。アマゾン、キューテン、SHEIN、DMM、アップルといった大手を含む70万以上の加盟店で利用できるため、幅広いユーザーに支持されています。

ペイディの提供するサービスと特徴

標準ペイディ(翌月払い)

「標準ペイディ」は、ペイディの最も基本的なサービスです。月に複数回購入した場合でも、その月の利用分が翌月10日までにまとめて請求されます。支払い方法を口座振替または銀行振込に設定すれば、金利は一切かかりません。ただし、コンビニエンスストアで支払う場合は、所定の手数料が発生します。

ペイディプラス(本人確認済みの分割払い)

「ペイディプラス」は、標準ペイディに比べてより柔軟な支払いオプションを提供するサービスです。利用には、アプリ内でeKYC(オンライン本人確認)が必要となり、運転免許証やマイナンバーカードと顔写真の照合が行われます。本人確認が完了すると、個別の利用限度額が設定され、アプリ内で購入履歴や予算管理が可能になります。

ペイディプラスの大きな特徴は、購入時に3回、6回、12回の分割払いを選択できる点です。こちらも口座振替または銀行振込を利用すれば、分割手数料は無料となります。これにより、高額な商品でも無理なく購入計画を立てることができます。

ペイディプラス for Apple

アップル製品の購入に特化したサービスが「ペイディプラス for Apple」です。このサービスでは、アップル製品専用の与信枠が設定され、最長36回までの分割払いが利用可能です。もちろん、口座振替または銀行振込であれば、こちらも分割手数料は無料です。新規申込者向けには、最大15万円程度の与信枠が提示されるケースもあります。

金利、手数料、支払い条件

  • 金利:ペイディの全てのサービスにおいて、口座振替または銀行振込を利用した場合は、一括払い、分割払いともに金利は0%です。
  • 手数料
    • 初期費用や処理手数料は一切かかりません。
    • コンビニエンスストアで支払う場合のみ、1回あたり最大356円(税込)の手数料が発生します。
  • 支払い条件
    • 一括払い:購入月の翌月10日までに支払い。
    • 分割払い:選択した支払い回数(3回、6回、12回、Apple製品は最大36回)に応じて、毎月均等額を支払い。
  • 遅延損害金:支払い期日を過ぎた場合、遅延損害金が発生する可能性があります。具体的な利率は公開されていませんが、日本の消費者信用規制に準拠します。

申込プロセスと必要書類

  • 標準ペイディ:携帯電話番号によるSMS認証のみで、簡単に利用を開始できます。
  • ペイディプラス:アプリ内でAIを活用したeKYC(運転免許証またはマイナンバーカードと顔写真の照合)を実施します。

ペイディは無担保の後払いサービスであり、担保は一切不要です。独自の機械学習モデルを用いて、購入履歴や支払い行動、本人確認データなどを総合的に分析し、個々のユーザーに適切な利用限度額を設定しています。

ペイディの利用体験、規制、市場での位置づけ

モバイルアプリの機能とユーザー評価

ペイディはiOS端末およびアンドロイド端末向けのモバイルアプリを提供しています。Google Playストアでは100万以上のダウンロード数を記録しており、アプリは購入履歴の確認、利用限度額の表示、コンビニエンスストア支払い用のバーコード発行、分割払いへの変更、そしてアプリ内でのショッピング(ショップタブ)といった多岐にわたる機能を提供しています。セキュリティ面では、二段階認証、TLS暗号化、24時間365日の不正監視体制を導入しています。

ユーザー評価については、Google Playストアで約2.9万件のレビューから平均3.0の評価を得ています。App Storeでも同様の傾向が見られます。利用者からは、その利便性や金利0%の分割払い(特にアップル製品購入時)が高く評価される一方で、eKYCの本人確認エラーや利用限度額の上がりにくさ、稀にアプリの動作が不安定になることへの不満も聞かれます。

法的地位と規制遵守

ペイディ株式会社は、日本の「資金決済に関する法律」に基づく「割賦販売業者」として登録されており、金融庁の監督下にあります。また、「特定商取引に関する法律」の対象でもあります。これまでに公的な処分や罰金が課された事例は報告されていません。

消費者保護の観点から、ペイディは透明性のある請求書発行と通知、そして日本の消費者信用規制に基づくクーリングオフや紛争解決の権利を保証しています。

市場における競争とペイディの強み

日本市場におけるBNPLサービスは競争が激化していますが、ペイディは加盟店数において50%以上の市場シェアを持つ主要プロバイダーの一つです。主要な競合サービスとしては、メルペイ(メルカリ)、オリガミペイ、Kyash、GMO後払い(GMOペイメントゲートウェイ)、そして国際的なサービスであるクラーナなどが挙げられます。

ペイディの強みと差別化ポイントは以下の通りです。

  • 金利無料の分割払い:口座振替または銀行振込を利用すれば、金利なしで分割払いが可能です。
  • コンビニエンスストア支払いの充実:日本のユーザーにとって身近なコンビニエンスストア(セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ、セイコーマートなど)での支払いに対応している点は、世界的にもユニークな特徴です。
  • 親会社ペイパルとの連携:ペイパルの強固な加盟店ネットワークと技術基盤を活用できる点は大きな強みです。
  • アップル製品購入に特化した長期分割払い:最大36回の金利無料分割払いは、アップルユーザーにとって非常に魅力的です。

ペイディを賢く利用するためのアドバイス

利用限度額と支払い管理

ペイディは非常に便利なサービスですが、計画的な利用が何よりも重要です。自身の収入と支出を正確に把握し、無理のない範囲で利用限度額を管理しましょう。アプリを定期的に確認し、現在の利用状況や翌月の支払い額を常に把握しておくことが大切です。特に分割払いを利用する際は、毎月の返済額をしっかりと認識し、遅れることのないように注意してください。

遅延とペナルティについて

支払い期日を過ぎてしまうと、遅延損害金が発生するだけでなく、信用情報にも影響を及ぼす可能性があります。これは将来的なクレジットカードの審査や住宅ローンなど、あらゆる金融取引に不利に働く可能性があります。遅延を避けるためには、口座振替設定を強くお勧めします。自動で引き落とされるため、支払い忘れを防ぐことができます。もし支払いが困難になった場合は、できるだけ早くペイディのカスタマーサービスに相談することが賢明です。

他社サービスとの比較検討

ペイディ以外にも、日本には多くの後払いサービスが存在します。各サービスの金利、手数料、利用限度額、利用可能な店舗、そしてアプリの使いやすさなどを比較検討し、ご自身のライフスタイルや利用目的に最も合ったものを選ぶことが賢明です。特に高額な買い物や長期の分割払いを利用する際は、トータルコストをしっかり計算し、慎重にサービスを選びましょう。

ペイディ利用の注意点まとめ

  • 金利無料の条件を理解する:口座振替または銀行振込以外ではコンビニエンスストア支払い手数料が発生する点に注意しましょう。
  • 利用限度額を過信しない:アプリで常に利用状況を確認し、予算内で計画的に利用することが大切です。
  • 期日内の支払いを徹底する:信用情報への影響や遅延損害金を避けるため、期日内の支払いを厳守しましょう。口座振替設定が最も確実です。
  • eKYCは正確に行う:ペイディプラスの本人確認は、正確な情報と画像で行いましょう。不備があると利用開始が遅れる原因となります。

ペイディは、現代のデジタル決済ニーズに応える革新的なサービスです。その利便性を最大限に享受しつつ、責任ある利用を心がけることで、より豊かなオンラインショッピング体験が得られるでしょう。

企業情報
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ジェームズ・ミッチェル

ジェームズ・ミッチェル

国際金融専門家・クレジットアナリスト

193カ国にわたるローン市場と銀行システムの分析において8年以上の経験を持つ。独自の調査と専門的なガイダンスを通じて、消費者が賢明な金融判断を下せるようサポートしています。

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